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インターミッテントファスティングは「断続的断食」のことを指し、一定時間断続的に断食することでダイエット効果を含む様々な効果が得られるということで注目されています。
しかし、中には断食はダイエットに効果がないという研究結果も出ていて、どちらが本当なのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
ここではインターミッテントファスティングによって期待できる効果だけでなく、効果がないと言われている理由についても解説します。
ダイエットは正しく行えば健康にとってプラスになりますが、間違った方法やダイエットに向いていない人が無理におこなうと健康を損なうリスクが高いです。
注意点をよく理解し、実践できるかどうかを判断してください。
※ダイエットの効果には個人差があります。健康を損なう無理なダイエットは行わないようにしてください
インターミッテントファスティングは、食事の時間を制限することで行うダイエット法の一つです。
食事を摂る時間帯と断食する時間帯を明確に分け、断食の時間を長くすることを目的としています。
断食する時間や食事時間は方法ごとに異なるため、以下にインターミッテントファスティングの基本的な概要を説明します。
16時間の断食と8時間の食事時間を設ける方法です。
例えば、午後8時から翌日正午まで断食し、正午から午後8時まで食事を摂るというパターンです。
週に5日は通常の食事をし、残りの2日は摂取カロリーを制限する方法です。
制限日には、通常の1/4程度のカロリー(500〜600キロカロリー)を摂取します。
週に1〜2回、24時間の断食を行う方法です。例えば、夕食後から翌日の夕食まで何も食べないという形式です。
インターミッテントファスティングで期待される効果
食事時間を制限することで、間食や夜食ができないため食事の回数が減り、結果的に自然に摂取カロリーが減少しやすくなります。
また、断食時間が長くなることで、体が脂肪をエネルギーとして利用しやすくなります。
断食中、体内のインスリンレベルが低下します。インスリンは脂肪細胞への脂肪蓄積を促進するホルモンであるため、そのレベルが低下すると脂肪の蓄積が減少し、脂肪燃焼が促進されます。
断食期間中にインスリンが低下することで、体はエネルギー源として蓄えられた脂肪を利用しやすくなります。
これにより、脂肪が効率的に燃焼され、体重が減少するとされています。
インターミッテントファスティングはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)やトリグリセリド(中性脂肪)のレベルを低下させ、心臓病のリスクを低減する可能性があります。
断食が血圧を下げる効果も報告されており、心血管の健康維持に寄与することがあります。
断食がオートファジー(細胞内の不要な物質を分解する過程)を促進し、細胞の修復と再生を助けるとされています。
動物実験において、断食が寿命を延ばす効果が示されており、人間においても同様の効果が期待されています。
インターミッテントファスティングが向いている人
規則正しい生活習慣を持っている人は、インターミッテントファスティングの食事時間と断食時間を一貫して守りやすいため実践しやすいです。
また日常のスケジュールを管理しやすい人は、断食と食事の時間を計画的に取り入れることができるでしょう。
食事のタイミングや量を自己制御できる人は、インターミッテントファスティングを効果的に実践しやすいです。
自炊することができる・家族にご飯を作ってもらえるなどで食事時間内にバランスの取れた食事を摂ることができる人は、必要な栄養素をしっかりと摂取できるため断食を成功させやすいでしょう。
ダイエットは精神的・肉体的なストレスが大きく体に負担がかかるため、健康改善や体重減少などの明確な目標を持っている人は、IFの効果を実感しやすく、モチベーションを維持しやすいです。
また、短期的な結果だけでなく、長期的な健康改善を目指している人は、IFを継続しやすいです。
断食を行うと強い空腹感を感じることになります。
そのため、空腹感に耐えやすい人や、空腹を感じても集中力を保てる人は、インターミッテントファスティングの断食時間を乗り越えやすいです。
空腹によるストレスをうまく管理できる人は、インターミッテントファスティングをストレスフリーに実践できるでしょう。
2型糖尿病予備軍やインスリン感受性を改善したい人には、インターミッテントファスティングが有効な場合があります。
インターミッテントファスティングはコレステロールや血圧の改善に役立つ可能性があることがわかっているため、心血管の健康を維持したい人におすすめです。
精神的に安定している人やストレスに対処しやすい人は、インターミッテントファスティングを精神的な負担なく続けやすいです。
精神的なストレスを抱えていたり、ストレス耐性が低い方は断食によるダイエットは負担が大きく向いていません。
栄養士や医師の指導を受けられる人は、健康を保ちながら効果的にIFを実践できます。
インターミッテントファスティングはダイエットに効果があるという複数の研究結果がある一方、ダイエットに効果がなかったという研究結果や、断食を行うことのリスクについて注意喚起している専門家もいます。
ここでは断食の効果だけでなく、リスクやデメリットについても解説します。
インターミッテントファスティングのデメリット
断食期間中は強い空腹感を感じることがあり、これが大きなストレスとなることがあります。
食事制限が厳しいと、精神的な負担が大きくなることがあり、ストレス耐性の低い人にはつらく感じることがあります。
断食中にエネルギーレベルが低下し、疲労感や集中力の低下を感じることがあります。
特に身体を動かす仕事や運動をする人にとっては、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。
断食後に過食してしまうリスクがあります。
断食期間が終わった後に一気に多くの食事を摂ることで、カロリー摂取が過剰になることがあり、逆効果になることもあるため注意しましょう。
インターミッテントファスティングの実践は食事のタイミングが制限されるため、友人や家族との食事の時間が制限され、社交生活に影響を与えることがあります。
食事の時間が制限されることで、必要な栄養素を十分に摂取できないリスクがあります。
特にビタミンやミネラルの不足が懸念されることがあります。
インターミッテントファスティングの実践中は食事の栄養にはいつも以上に気を付ける必要があります。
インターミッテントファスティングのリスク
糖尿病患者や低血糖症の人にとっては、血糖値の急激な変動が危険である可能性があります。
該当する方はインターミッテントファスティングは行わない方がよいでしょう。
女性は断食がホルモンバランスに影響を与え、生理不順やその他のホルモン関連の問題を引き起こすことがあります。
一部の人にとっては、断食後に消化不良や胃の不快感を感じることがあります。
特定の持病(例:心臓病、腎臓病、その他慢性疾患)を持つ人にとっては、断食が病状を悪化させるリスクがあるため必ず実践前にかかりつけの医師に相談してください。
妊娠中の女性には、断食が母体および胎児の健康に悪影響を与える可能性があるため、やめておいた方がよいでし
ょう。
インターミッテントファスティングが向いていない人
糖尿病を患っていてインスリンを使用している人や血糖値のコントロールが難しい人は、インターミッテントファスティングによって血糖値が急激に変動する可能性があるため危険です。
また、低血糖のリスクが高い人は、断食期間中に危険なほど血糖値が低下する可能性があります。
過食症、拒食症などの摂食障害の既往歴がある人は、インターミッテントファスティングが摂食障害を再発させるリスクがあるため断食は行ってはいけません。
栄養の必要性: 妊娠中や授乳中の女性は、胎児や乳児の健康のために安定した栄養摂取が必要なためインターミッテントファスティングによる断食は、必要な栄養素の摂取を妨げる可能性があるためやめておきましょう。
高ストレスな仕事や生活環境にいる人は、断食によってさらにストレスが増す可能性があります。
また、肉体労働や激しい運動を日常的に行う人は、断食期間中にエネルギー不足を感じやすいため仕事に支障をきたす可能性があるため避けておいたほうが無難です。
既に体重が低い人や栄養不足のリスクがある人は、さらに体重が減少し、健康を害する可能性があり危険です。
また高齢者は栄養不足や筋肉量の減少のリスクが高いため、インターミッテントファスティングはおすすめできません。
子供や未成年の方は成長と発達のために安定した栄養摂取が必要です。インターミッテントファスティングは成長期のに行うと十分な栄養を摂取できない可能性があるためやめておきましょう。
一部の女性は、断食によってホルモンバランスが乱れ、生理不順やその他のホルモン関連の問題が発生することがあります。
特定の時間に食事を取ることが重要な人、例えば薬の服用に合わせた食事が必要な人は、インターミッテントファスティングが難しい場合があります。
友人や家族との食事が生活の一部であり、それを楽しむ人にとっては、インターミッテントファスティングが制約となりストレスを感じる可能性があります。
インターミッテントファスティングは効果なしという研究結果もある
インターミッテントファスティングは、多くの研究がその有効性を支持している一方で、一部の研究や専門家の間では効果が限定的である、あるいは効果がないとも言われています。
インターミッテントファスティングが効果がないと言われる理由やエビデンスについて説明します。
一部の研究では、IFによる体重減少効果が個人差によって大きく異なることが示されています。
つまり、全ての人に効果があるわけではなく、特定の人々には効果が見られないことがあります。
また、インターミッテントファスティングを実践しても、食事時間内に過剰なカロリーを摂取することで、体重減少効果が打ち消されることがあります。
このため、インターミッテントファスティングの成功には食事制限によるカロリー管理が重要となります。
インターミッテントファスティングの短期的な効果を示す研究は多いものの、長期的な健康効果に関するエビデンスはまだ限られています。
一部の研究では、長期的に見ると体重や健康状態に大きな変化が見られないことも報告されています。
断食は精神的なストレスによる負担が大きく、インターミッテントファスティングを長期間続けることが難しいと感じる人も多く、その結果、長期的な効果が見られないことがあります。
インターミッテントファスティングの実践が栄養不足を引き起こすリスクがあります。
特に、食事時間内にバランスの取れた食事を摂取しないと、必要な栄養素を十分に摂れない可能性があります。
女性においては、IFがホルモンバランスに影響を与え、生理不順やその他のホルモン関連の問題を引き起こすことがあります。
インターミッテントファスティングを実践するにはバランスの取れた食事を摂取できる環境が必須となります。
一部の研究では、インターミッテントファスティングと他のダイエット方法(例えば、単にカロリー制限を行う方法)を比較した際に、有意差が見られないことがあり、インターミッテントファスティングが特別に効果的であるという証拠が不足しているとされています。
また、インターミッテントファスティングの効果がプラセボ効果によるものである可能性も指摘されています。つまり、断食そのものよりも、断食をしているという意識が効果を生む場合があります。
インターミッテントファスティングを始める前にどのような準備をすればよいですか?
自分の健康状態を確認し、目標を設定し、無理のないスケジュールを計画します。可能であればかかりつけの医師や栄養士に相談することもお勧めします。
インターミッテントファスティング中に飲んでも良いものは何ですか?
水、ブラックコーヒー、無糖のお茶などカロリーが含まれていない飲み物はOKです。断食期間中にカロリーを摂取しないようにしましょう。
インターミッテントファスティング中に運動をしても良いですか?
適度な運動は推奨されますが、エネルギー不足を感じた場合は無理をせず、軽めの運動に留めるようにしましょう。断食中の激しい運動は避けるべきです。
インターミッテントファスティングを実践する際にどのような食事を摂るべきですか?
バランスの取れた栄養を摂取することが重要です。野菜、果物、全粒穀物、良質なタンパク質、健康的な脂肪を中心に食事を組み立てましょう。
インターミッテントファスティング中に空腹感を感じた場合、どのように対処すれば良いですか?
水分をしっかり摂ること、低カロリーの飲み物(無糖のお茶など)を飲むこと、軽い運動や他の活動に集中することで空腹感を紛らわせることができます。
インターミッテントファスティングの効果はどのくらいの期間で現れますか?
効果が現れる期間には個人差がありますが、一般的には数週間から数ヶ月で体重減少や代謝改善の効果が見られることがあります。
名称 | 宇都宮病院 |
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所在地 | 和歌山県和歌山市鳴神505番地の4 |
電話 | 073-471-1111 |
FAX | 073-473-8567 |
交通 |
JR阪和線「和歌山」駅東口より「紀伊風土記の丘」行 乗車 |
開設日 | 昭和45年10月27日 |
診療科 |
・内科 |
病床数 | 80床(医療療養44床・地域包括ケア36床) |
管理者・病院長 | 宇都宮 宗久 |
設備 |
手術室・内視鏡室・検査室(ECG・エコー) |
基準等 |
■基本診療料
■特掲診療料 |
勤務体制 |
4週8休(看護部のみ2交代勤務) |