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お知らせ

「精神科病院の役割」~当院の取り組みも含めて~

2025年も2月から「医療と介護の未来塾」が始まり、なるコミにて会場もしくは、Zoom形式のハイブリッド方式で開催いたしました。今月のテーマは、「精神科病院の役割」~当院の取り組みも含めて~で、講師は寺田 尚子先生(宮本病院院長)(以下、寺田先生)でした。今月参加者は、Zoom参加者:9名(最大)・なるコミ聴講:27名の合計36名でした。
ご参加いただきました皆さま、有難うございました。  

 寺田先生より、宮本病院の病床概要として、精神科急性期治療病棟・療養病棟・精神一般・精神保健福祉法指定病床(措置入院)10床を含め病床数が283床あります。また、紀北医療圏域の精神科救急を金曜17時~土曜9時まで担う和歌山県精神科救急輪番制に参加していますとの紹介がありました。精神科外来診療のなかで認知症外来もおこなっており、ケアマネジャーより精神科への外来について問われますが。ご担当の方で初心の方でも気兼ねなく来てくださいとのことでした。ただ、事前に情報共有のために、連携室に連絡いただくとよりしっかりとした診察に繋がりますとのことでした。また、依存症外来として、ギャンブル外来・アルコール依存症外来を行っております。実際、ギャンブルやアルコールから抜け出すことができ、診察日でなくても連携室に寄る患者様も沢山いますとの話がありました。さらに、うつ病外来、リワーク外来(デイケアの就労支援プログラムにつなげるための外来) 女性外来も行っていますとのことでした。精神科デイケア(精神障害のある方が安定した日常生活や社会復帰を目的とした通所型リハビリテーション)にも力を入れており、曜日毎に統合失調症・うつ病再発予防等のプログラムを行い、最近では、主に発達障害の方のためのプログラム(ええわいしょクラブ)もやり始めたので知っておいてほしいです。デイケアは、宮本病院以外に通院されている方も利用できますとの紹介がありました。入院については、認知症のBPSDにも対応可能であり、症状が落ち着いてくれば、習字や計算・手芸等の精神科作業療法に取り組んでもらうようにしてもらいます。うつ病、統合失調症、アルコール依存症の方には、入院集団精神療法として疾病教育も行っていますとの話がありました。
 宮本病院では、寺田先生自ら訪問診療に取り組んでおり、実際の事例についてもご紹介していただきました。施設で過ごされているアルツハイマー型の高齢女性の方で、物や人に対し暴言・暴行が酷くなったため、本人様、家族様、施設スタッフと一緒に初診に来られ、入院に至ったとのことです。その後、薬剤調整により易怒性は軽減され、作業療法などを経て同施設に帰ることができたケース紹介でした。月に1回程度、寺田先生が訪問診療に行かれているそうです。他にも、医師3名で訪問診療しているため、気兼ねなくご相談くださいとのことでした。
 関連施設の地域活動支援センター櫻では、職員の輪番で登録されている精神の方からの24時間電話対応、和歌山県精神障害者地域移行ピアサポーター活用事業として、患者様自身が自ら地域や大学校などで、精神障害の体験について講義を行い広く知ってもらう活動を行っていることに驚きました。他にも地域移行・退院促進の第一歩として、病院敷地内に共同住居あすなろを構え、色々なサービスを活用しながら暮らしてもらっていますとの紹介もありました。
 最後に寺田先生より、年齢別入院患者を示され、若い方の急性患者を除き、約70%以上が60歳以上であり高齢化になっています。現在、高齢の方でも認知症だけでなく精神系(被害妄想やうつ病)も病気も増えてきています。精神科病院は決して敷居は高くありません。いつでもご相談にのりますとのお話でした。
 寺田先生、貴重なご講演誠にありがとうございました。

皆様、現在担当しているケースについての対応方法など、いくつか質問が挙がりました。皆様からの質問内容も掲載させていただきます。
●「SST(社会生活技能訓練)について教えてください。」
 長期に入院されている患者様の退院に向けた精神科のリハビリテーションの1つであり、社会生活の中でうまく人と関わり、よりよい人間関係をつくる技能を身に付けることを目的に行われている社会生活に必要なスキルを習得できる有効な訓練方法です。
●「アルコールを辞める気がない人を、アルコール依存症外来につないでも難しいですか。」
 酒を辞める、プログラムを継続する確率は低いですが、プログラムや薬につないでいくことが大切である。体を悪くして食事を食べられなくなり入院している人もいます。
●「精神症状があってもなかなか病院につなぐことが難しい。本人は困っていないが周囲は困っています。何かよいヒントがあればお教えください。また、初診での訪問診療は可能ですか」
 家族にアプローチしてはどうか?孤独であれば保健所が介入するかも?精神科という看板だけで敷居を高くもっている家族や地域住民も多く、身体拘束で縛られるなどのイメージが強い。精神科病院の役割など、家族に丁寧にアプローチしていくことで、入院にならなくても先ずは外来から始めていくことができるのではないか。今後の精神科病院の役割として、在宅への初回訪問診療については検討しています。
●「長期入院されている患者様の退院場所として、高齢者施設の検討はありますか?」
 長期の入院患者様の高齢化で特養や有料老人ホームにいくことはありますが、元の疾患が統合失調等であるため、割合的には少ないと思います。内科疾患で違う病院に入院後、高齢者施設への退院したケースはありました。

和歌山市にも代表的な精神科病院がいくつかあります。現在私は、在宅医療・介護連携推進センター(社会福祉士・精神保健福祉士)の業務を行っております。そんな私自身も、なかなか精神科病院に相談しても難しいのではと勝手に敷居を高く持ってしまいがちです。
今回、精神科病院が訪問診療を行っている情報を各ケアマネジャーにも知ってもらうことができる良い機会となり、また新たに連携を図ってもらうことができればと思います。
ご参加された皆様遅くまでありがとうございました。
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