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お知らせ

「Medical Care Station(MCS))の実際の活用事例」

7月の「医療と介護の未来塾」も、なるコミにて会場もしくは、zoom会議形式のハイブリッド方式で開催いたしました。今月のテーマは、「Medical Care Station(MCS))の実際の活用事例」で、講師は木田 真紀先生(トータルケア まきクリニック 院長)(以下、木田先生)でした。木田先生のクリニックよりZoom配信でご講義いただきました。今月参加者は、Zoom参加者:16名(最大)・なるコミ聴講:18名の合計34名でした。ご参加いただきました皆さま、有難うございました。  

木田先生より、医療連携のICT化により、インターネットを利用して、医師と患者がコミュニケ-ションを図りやすく情報を共有することで、よりよい医療とサービスを提供できる時代になってきていますとのご説明がありました。様々な医療情報共有ツールが存在するが大切なことは、①多職種が利用できること(医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・ケアマネージャー・ヘルパーなど)、②治療・ケアに関する情報をタイムリーに共有できること、③連絡ツールとしても利用可能であること、④セキュリティが万全であることを示していただきました。特にセキュリティに関しては、患者情報を扱っている医療機関は外部からのサイバー攻撃や情報漏洩には細心の注意を払わなければいけないとの話がありました。厚生労働省からは、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」、経済産業省・総務省からは、「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」を示されており、これを遵守したセキュリティツールで個人情報の共有をおこなうことが推奨されていますとの説明がありました。広く一般的に友人等の間で使用されているLINEは個人情報漏洩の観点等から、木田先生のクリニックでは医療連携情報共有ツールとして一切使用していませんとのことでした。関東のご友人Drからも、医療連携情報共有においてLINEを使用しないのは常識になっていますと話されたことがあるそうです。
クリニックで医療連携情報共有ツールとして使用されている「Medical Care Station(以下、MCS)」についてご紹介していただきました。MCSは、スマートフォンにダウンロードでき、症状写真や動画・資料も添付できることで、訪問中でも気軽に患者様の情報を共有しているそうです。他にも、患者様やご家族の連絡ツールとしても利用可能でありますとの説明がありました。さらに、先生も活用しているMCSの利点として、同じ職域や地域の医療介護従事者コミュニティと繋がることで、患者様の症状に対し薬物・治療等に対しより深く学ぶことができ、担当されている患者様へのよりよいアプローチにつなぐこともできています。現在、基幹病院入院時の主治医もグループ参加していただき、退院時の在宅での状態や患者様の思いをリアルタイムで情報共有でき、必要時にアドバイスやサポートもいただけ、入院の必要なタイミングにも役立っていますと紹介していただきました。MCSの実際の画面(名前は黒塗り)を映していただきました。システムに入る際と一定の時間ごとにパスワードが必要なことでセキュリティの担保につながっていますとのことでした。ホーム画面では、人間の形をしたアイコンも患者様や職種によって色分けされ、また患者様ごとにグループ化(コミュニティ化)され、登録者も各施設別で振り分けられるため見やすくなっていますとのことでした。トラブル回避のため「医療・介護側」と「患者・利用者側」に部屋が分かれており、状態・写真等を添付や記録は「医療・介護側」に記載するなどの注意が必要になりますとの説明もありました。実際の「医療・介護側」での訪問後の褥瘡の写真と症状を添付記載の画面を示していただきました。過去の写真とも比べられるので主治医としての治療のタイミングに役立てられていますとのご説明がありました。
最後に、木田先生より地域包括、多職種連携のICT化は患者マネージメントに重要なツールでありますが、厚労省、経済産業省・総務省のガイドラインを遵守したものを使用することが情報漏洩の観点からも望ましいです。課題点として、先生自身も含めて、MCSでのリアルタイム情報共有において、業務でありながら個人用のスマートフォンを使用しているスタッフも多くいます。また現在クリニックでは、無料版を使用していますが、費用が掛かってきた際に、主治医や1つの事業者だけが負担すれば解決できる問題でもないと考えおりますとのお話がありました。今後、基幹病院と在宅医療等切れ目のないケアが重要になってくる中、垣根を越えた多職種連携が必要になり一人の患者様を地域全体で包括的に支えていくためにも、色々な課題がありますがこのツールやシステムが一躍を担うようになってきてもらいたいですとのお話がありました。
木田先生、貴重なご講義遅くまでありがとうございました。
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